子供のいじめ

 
 〔マスコミ関係者の方に〕


 いま、社会で問題になっている “いじめ問題”ですが、“いじめ”を苦にした

 自殺が増えています。



 「マスコミの過熱した報道が、自殺をあおっている」との見方もあります。

 たしかに、その一面はあると思いますね!

 とくに、テレビなどの影響は大きいですから…。



 たとえば、自殺を考えている子供は、インターネットや新聞で社会の情報を

 知ろうとしているとは思えません。


 しかし テレビならば、BGMがわりに流しているご家庭もあると思います。

 何気につけていたテレビから、多くの人からのメッセージが言葉や映像で

 流れてきたら…。



 本気で、【死ぬな! 死なないでくれ!】 【君に、そばにいて欲しい人がいる】

 という事を、もっと言葉や、文字、映像で呼びかけるのがメディアの役割では

 ないのでしょうか?



 アパパも、“いじめ” の経験が ありましたから、以前のアパ健で書いた事が

 あります。
 

 少しでも “いじめ”が無くなって欲しいと願っているからです。



          ◆          ◆          ◆



 〔すべての人に〕



 いろいろな事件を見ても、加害者よりも、被害者が責められている気がして

 なりません。


 「騙されるほうが悪いんだ!」とか、「この世は、弱肉強食だ」なんてセリフを

 よく聞きます。


 「そりゃあ加害者は悪いに決まっているさ! でも、被害者にも悪いところが

 あったんじゃないの?!」


 こうして、被害者の欠点探しが始まります。 そして…

 「ほら、やっぱりな! これじゃあ いじめられてもしょうがねーよ!!」

 … となります。



 さて、ご自分は どうなのでしょうか?!

 人間は、誰でも欠点はあります。 なかったら神様ですよね。



 「加害者だって、かわいそうな境遇なのよ!」

 「きっと同じ目に会ってきたんだわ、本にそう書いてあるし…」


 そうかも知れませんし、そうでないかも知れません。

 だけど、“いじめ”は許されない事なのです!



 粘り強く 加害者に更生を促す事こそが、唯一の解決策だと言う人がいます。

 更生するかしないかは別にして、それは良しとしましょう。



 その間 被害者は どうすればよいのでしょうか?

 被害者には、「愛」と「許し」を促せばよいのでしょうか?

 そして、自殺した子供の遺族にも…。



 あのね、子供社会って 大人社会の縮図なんです!

 大人社会を正さずに、子供社会だけキレイにしたくても無理なんです!!



 親の会社でも、先生の職員室でも、国を動かす公官庁でも、“いじめ” が

 あります。


 それを支えているのが、上に示した加害者弁護団の方たちの言葉です。


 それが 当たり前だと思っている人がいる限り、どの世界でも “いじめ”が

 無くなるわけがないのです。



 世は人なり …、まずは世の中を作っている我々大人たちが、考えを正すしか

 “いじめ”をなくす方法は無いと思います。



          ◆          ◆          ◆



 〔すべての親に〕



 “いじめ”は、犯罪です。


 しかし、わが子がいじめられるくらいなら、いじめる側にあって欲しいと思う

 親もいるようです。


 さっき、いじめる理由なんて、何でもいい … と言いましたが、それは誰でも

 被害者になる可能性がある、という事。


 いつも、いじめっ子グループに所属していても、その調子よさが 誰かの逆鱗

 に触れるかも知れません。


 学校を去っていく 多くは、被害者の方です。

 被害者が自殺をすると、加害者が学校を去ることもあるようです。



 “いじめ”は、被害者にとっても、加害者にとっても、将来に大きな悪い影響を

 与えます。



 わが子が 本当に可愛いのなら、被害者にも 加害者にも しないために、

 仕事などで、どんなに忙しくとも、自分の子供の顔色、態度、しぐさ、怪我など

 をチェックし 話しかける習慣をつけるべきでしょう。


 さりげなく 世間話の中で学校や友人関係に触れてみましょう。

 なんと言っても、親子の対話が最悪の事態を防止する窓口になります。



 もしも、“いじめ”が発覚しても、あわてず毅然とした態度でいてください。

 わが子が、被害者であっても、加害者であっても…。

 親が動揺すれば、子供も動揺します。



 わが子が “いじめ”とは無関係でも、クラスなどで “いじめ”の事実があるのなら

 まずは、すぐに担任に相談して解決策を練ってください。

 いつ、自分の子も 巻き込まれるか分からないのですから!



 全ての親は、担任まかせにしないで ご自身の案も提言してみてください。

 複数の親が本腰になれば、教師も本腰を入れるはずです。


 担任が、逃げ腰で話にならなければ、学年主任、教頭、校長と相談相手を

 順番に変えてみてください。

 順番を守って、少しでも心証が悪くならないようにするべきだと思います。


 学校が、まともに相手をしてくれないのなら教育委員会です。

 それでもダメなら、文部科学省やマスコミです。



 本当に、わが子が大切ならば、愛しているのなら、出来るはずです!!

 親の愛が、試される時です。




          ◆          ◆          ◆



 〔いじめられっ子の親(保護者)に〕



 いじめられている子を持ち、尚且つ その事実を知っている親の中にも、

 わが子に、「あなたにも、非があるんじゃないの?」と いう親がいるそうです。


 これは、あまりにも “いじめ”を単純に見すぎています。


 100歩譲って、わが子に非があったとして、そこを直しても “いじめ”は終わる

 わけがありません! ←(もちろん、直すべきところは 直すべきです)



 いじめる理由なんて、何でもいいのですから…。

 そして、どんな理由があろうとも いじめてよいわけではありません。




 中には、「やっぱり、あなたが悪いんじゃない!」という事で済ましてしまう親は

 学校の先生や いじめる子の父兄とのトラブルを避けたい腰抜け …  失礼!

  。。。穏便派の親なのかも知れませんね。


 他人を責めるよりは、自分や身内を責めたいタイプなのかも知れませんが、

 これでは わが子を守れません。

 親の他に、わが子を いったい誰が守るのでしょうか?




 “いじめ”は、だんだんエスカレートしていきます。

 完全無視、暴言、恐喝、なぐるけるの暴行、異性の前でパンツを下ろされる、

 金品を持ってこさせる、遺書を書かせられて自殺ごっこ…。



 アパパは、護身術で『逃げる事』を重点において教えています。

 それは、自分や家族のために 命を守るためです!


 ですから、いじめられっ子が 命を守るために引越ししたり、転校したりする事

 も、仕方のない事だと考えています。

 (本来は、いじめっ子が転校するべきですが…)



 殺されてしまったら、何の意味も無いですからね!







 ただね、お子さんには これだけは教えてあげてください。



 【 人生に逃げは許されません!!


 命を守るための逃げはあっても、人生から逃げるために命を捨てる事だけは

 何があっても許されません。


 人は、それぞれ何かに気づいて、何かを学んで 強く やさしく 大きくなります。

 そうなっていくうちに、いじめにも対処できますし、いじめられなくります。


 自分の人生は、死ぬ事以外なら 自分で決めて良いのです。

 自分で決めた事ならば、自信を持って生きられるでしょう?


 みんな、愛されて生まれてきたのです。

 みんな、幸せになるために生まれてきたのです。 】

 

 

無料メールマガジン『アパパのゆかいな健康講座』(2006年)より掲載