筋肉の使い方(伸筋活用)

スーパーで買い物をしている人を見ますと、カートを使わない人は、腕を“L字”か“V字”に折って、カゴを引っ掛けています。

これはもう 屈筋』優位の体質になっていますので、そのまま肘を胴体の前部にくっつけ、もう片方の手でカゴを持った方の肘をおさえる…。

つまり、自分の体を抱きかかえる様にすると、楽になります。カゴの重さを、2本の腕で分散するわけです。


  
対して、アタッシェ・ケースを持つ様に、伸ばした腕でカゴをぶらさげて持つ人は、『伸筋』優位の体質です。

指を握りこむと、屈筋が働きはじめるので、伸ばした指先に引っ掛けるのがポイント
  
これは、伸筋』優位での 【脱力】状態になります。



 武術でも、武器を扱う時や相手を掴む時は、指先の引っ掛けは非常に大切です。

伸筋』優位での 【脱力】状態から伸筋』を使った【出力】状態へ移りやすくするためです。 



もし、あなたが屈筋』優位の体質で、「疲れやすい」とか「疲れが抜けない」というのであれば、屈筋伸筋のチェック方法を繰り返して伸筋優位の体質に変えることを、おすすめします。 

「疲れない」というのなら、ムリして変える事もないでしょう!



          ◆          ◇          ◆



あなたは、乗り物の棚などに 重い荷物を載せたいとき、どうやって載せますか?

ゆっくりと 腕にかかる重みを楽しみながら 載せるとしたら、あなたはマゾヒストか、体力づくりの筋トレマニアです!(失礼!)



荷物をゆっくりと上にあげる運動は、屈筋を使った入力状態です。

ムダな力(この場合は『伸筋』)を入れずとも、腕がプルプルと辛い状況になります。


  
   そんな時、人は無意識に“反動を使いますね。

伸筋にスウィッチし 腕を前に振り、反動で上がった荷物を、そのまま勢いで 今度は下から押し上げます。

当然、脚を伸ばしたり、背中をそらす といった伸筋で 補助してやれば、ますます 楽に荷物は上がります。

これって、最初から最後まで、伸筋』を使った【出力】状態です。



前者屈筋より、後者伸筋の方が、断然 楽なはずなんです。

それはね、人間は、『屈筋』よりも『伸筋』の方が強力だからなんです!

だから重力に逆らって立っていられるんです。

男性でも、50キロの荷物は腕を曲げて屈筋引っ張ったり、持ち上げるのは大変でしょう?

   
でも、腕を伸ばして伸筋押し出すのは 比較的簡単だよね 。

全身の『伸筋』の力を順序良く、そして ロスすること無く使う。


  
説明したような事を、利用しまくっているのが武術の技です。

もちろん! こればかりじゃあ無いけれど、大きな要素です!!
  
泉水流柔術のセミナーでは、もっとくわしく 説明いたします。

これから なるべく多くの人に、快適に生活して欲しいと考えています。

 

無料メールマガジン『アパパのゆかいな健康講座』(2004年)より掲載