若い頃は、疲れ知らず。
飛んだり跳ねたり、ハイキックを連続で繰り出すも、息が上がる事は無かったのに、歳を取るとそうも行かぬ。
自ずと体力を温存した動きへと成り行く。最小の動き、最小の力で、最大の効果を狙う。
重力や梃子といった物理。反射や急所といった生理。思考や感情といった心理。
これら3つの理(ことわり)と、波や渦といった万物のエネルギー運動の法則。
そして、相手の攻撃さえも吸収し一体化するのだ。最後には、己の動きや気配さえも消して行く。
枯れた技とは、そうしたもの。