歩きと走りの重心移動(Q&A)

今日は、久々に武術を用いた身体能力開発のお話をしたいと思います。

だって、「武術家の書くメルマガなのに、武術の話が出てこない!」という
メールを、チラホラ戴くのです。 あはは。。

…で、今まで貰った質問と答えを集めたので、今回は『重心移動』に関する
質疑応答をご紹介しま〜す。


まずは、復習の意味で、過去の記事を読んでくださいね〜。
http://www.sensuiryu.net/bodyfaculty3.html


       ◇◇◇        ◇◇◇        ◇◇◇


それでは、そろそろ始めましょう。



 Q.通常、人間は、『踵から着地して、小指側に抜けて行くと同時に
   親指に力を入れて歩く』ものだと思います。

   泉水さんのお話しだと、『武術の達人は足裏全体を使って歩く』と
   言いましたが、それなら何故『親指と拇指丘と踵を結ぶ線で歩く』と
   言うのしょうか? 矛盾していると思いますが?!



 A.着地した時の、重心移動のお話ですね。

   まず、お尻を床につけて、脚を前に投げ出して座ってみて下さい。
   力を抜いてリラックスした状態で、足先を見てください。
   たぶん、小指側が親指側よりも前に出ている筈です。
       ※内踝より外踝が低い位置にあるため(内反)

   だから、『重心が足裏の踵から着地して、小指側に抜けて行く』のです。
   これは、人体の構造上仕方ない事なのです。
   

   次に、手と足を床につけて、四つん這いになってみて下さい。
   今度は、重心が手と足の親指側に集中した筈です。

   これが、本来の“体に中心軸を作りやすく安定した状態”なのです。
   人間も四足歩行から、二足歩行へ進化しましたが、足裏の感覚が
   進化できずにいる人が、まだ多いという事です。


   だからと言って、初めから達人レベルを目指すのも大変です。
   そこで、今までのクセを相殺するために、『まずは親指側への重心』から
   始めようと提言しているのです。

   それが、『親指と拇指丘と踵を結ぶ線で歩く』という事です。

   だんだん、足裏が平均して使えるようになれば、『足裏全体を使って重心移動
   する』のを意識していけば良いのです。


       ◇◇◇        ◇◇◇        ◇◇◇


 Q.インエッジに体重を乗せる事を主張されていますが、テレビ番組では
   アウトエッジに体重を乗せた方が良いと放送されていました。
   
   また、本では、足裏を上下左右4つに分けて、スポーツ別に重心を置く場所
   が違うと書かれています。

   インエッジ理論は、間違っているのではありませんか?



 A.インエッジは親指側で、アウトエッジは小指側という事で宜しいでしょうか?

   うちの最終目的は親指側重心ではなく、『足裏全体を使って重心移動する』
   という事です。
   ですから、逆に親指側重心に偏っている方には、小指側重心を指導します。

   また、足裏を上下左右4つに分けたとして、どのスポーツにおいても足裏全体
   を使わないと、高いパフォーマンスは得られない筈です。

   極論すれば、ニュートラルな重心位置は、足首(くるぶし)下のラインの
   足裏中心部になります。

   そこから、どこに重心移動させるかが重要なのです。

   知識を得るのも大切ですが、あまり理詰めになってしまうと、頭でっかち
   になってしまい、動けなくなるのではありませんか?


       ◇◇◇        ◇◇◇        ◇◇◇


 Q.ホームページを拝見しました。私は、スポーツ指導をしていますが、
   未だに“中心軸”を意識しようとしているのは、時代遅れではないかと
   感じました。今や、スポーツ界では“常足”が主流だと思います。

   泉水さんは、“常足”をどのように考えておられるのですか?



 A.泉水流では、“常足歩行”を“側軸(二軸)歩行”と呼んでいます。
   そして、“中心軸”と“側軸”を合わせて【体軸】と呼んで重要視しています。

   “中心軸”や“側軸”は、昔からある意識体ですから、真新しいモノとは
   考えてはおりません!

   ですから、“側軸歩行”=“常足歩行”も必要と考えていますので、
   ウォーキング講座のカリキュラムに含まれています。


   ただ、“中心軸”よりも、“側軸”、という考えではありません!

   何故なら、“中心軸”も持てない人間が、“側軸”を使いこなせるとは
   考えていないからです。


   つまり、スポーツなどに活かすには、“中心軸”と“側軸”を含めて
   【体軸】を作るべきだと提言しているのです。


   実際、スポーツ界で活躍されている方々で、“中心軸”と“側軸”を
   巧みに使っている人が居られる事実を、どうお考えですか?
   
   何故に、スポーツや舞踊、武道で不可欠な“中心軸”を不要と言われ、
   “常足”だけに固執されるのでしようか?


       ◇◇◇        ◇◇◇        ◇◇◇


来月は学校の運動会が多い月ですね。
学校では、今からリレー選手の選考が始まっている様ですよ〜。

 
『走り』とは、『歩き』より早く移動するために変化した運動です。

『歩く』動作を、だんだんと『走る』動作にスウィッチしていくのは、そんなに
難しい事ではありません。

逆に、『歩く』動作を、そのまま早めた“競歩”は辛い筈です。


ただし、『走り』と『歩き』は、重心移動のさせ方、足裏の感覚など、共通点も
多いのです。

だから、【らくらく武術ウォーク講座】は、スポーツマンにも人気なのです♪



 ◆ アクシスウォーク・プラス ⇒ http://www.sensuiryu.net/axis.html

  ・講座スケジュール ⇒ http://www.sensuiryu.net/seminar.html
  ・参加者の声 ⇒ http://www.sensuiryu.net/report.html

 ※ 運動会シーズンだけに開催される、年に1回か2回のレアな講座です☆

無料メルマガ『アパパのゆかいな健康講座』第241号より一部掲載